アメリカ

ONE OK ROCK(ワンオク)Stand out and fit in のMVと歌詞が深すぎる

ONE OK ROCK(ワンオクロック)通称ワンオクというバンドをご存知でしょうか?

テレビ出演はほとんどありませんが、世界で活動している大人気グループです。

YouTubeの公式チャンネルの登録者数は200万人以上。

再生回数の多い曲はなんと1億3千万回再生されています。(2019年2月現在)

そんなワンオクのStand out fit in という曲のミュージックビデオと歌詞が深すぎて衝撃を受けたので、海外の反応も含めて紹介したいと思います。

ONE OK ROCK(ワンオク)ってどんなバンド?

ONE OK ROCK」と書いて「ワン オクロック」と読む。結成当時、練習スタジオに入るのが、深夜パックで料金が安くなる毎週末の午前1時(one o’clock)だったことから、o’clock部分をOKとROCKに置き換え、「ひとつの良いロック」にかけて名付けられた。

メンバーは
ボーカルのTaka
ギターのToru
ベースのRyota
ドラムのTomoya の4人。

ボーカルのTakaさんは歌手の森真一さんと森昌子さんの長男で元ジャニーズ事務所のNEWSメンバー。作詞作曲も手がけます。

ベースのRyotaさんは世界的人気歌手、アブリルラヴィーンさんの妹の旦那さまです。

今となっては大人気バンドですが、人気が出るまでは苦労もあったようです。

バンド結成当時は、Takaとともにライブハウスに売り込みに行っても以前の経歴による偏見などから断られることも多かったが、バンドを急成長させるためできる限りライブの予定を入れ(結成から1年半の間に40本弱)、前日にはToruがメンバー一人一人に長文の熱いメールを送っていた。

Stand Out Fit In

Stand Out Fit In という曲。

2018年の11月に公式YouTubeにアップロードされています。

アジア人家族がアメリカらしき国に引っ越してきたストーリーを描いています。

動画はアジア人の男の子の学校の様子から始まります。

黒板に回答を書き、席に戻ろうとする男の子にクラスの男の子が目がを手で釣り上げてアジア人の目の真似をする仕草をします。

休み時間は1人でipodで音楽を聴き、お昼ご飯はお母さんが作ってくれた中華料理のお弁当を食べる男の子。

男の子のお弁当を見て「何なのあれ!?」というような表情とジェスチャーをする隣のテーブルの女の子達。

お家に帰り、男の子は中華料理店を営んでいる両親のお店をお手伝いしたり、お店の中でお勉強。

そんな中、若者の男女が男の子の両親のお店で料理を食べながら、こっそり持ち込んだお酒を飲んでいます。食べ終わるとお金を払わず走って逃げる所を目撃します。

追いかけるお父さん。しかし逃げられてお父さんとお母さんはがっかりした顔をしながらお皿を片付けます。

そして時が経ち、男の子は青年に成長します。

お昼ご飯はサンドイッチを食べ、友達も出来た男の子。クラスで真面目に授業を受けているクラスメイトに紙くずを飛ばしてちょっかいを出します。

夜は友達とお酒を飲んだりタバコ(またはマリファナ?)を吸い、車で繰り出します。

が、車が事故にあいます。

男の子がフラフラしながら車の外に出ると、そこには中国の伝統芸能で顔の仮面を一瞬で次々と変える変面が。

男の子は踊り出します。踊ってるうちに髪の毛が金髪になり目の色も変わります。

踊っていると後ろに他のダンサー達が現れます。

男の子はダンサーの振りを見て真似しながら踊りをマスターしていきます。

最後には子供に戻り、お店を閉めるお母さんと目が合って終わります。

動画を観た私なりの解釈、解説

中国系アメリカ人を夫にもち、アジア人としてアメリカに住む、私個人の経験から推測する勝手な解釈と解説です。

クラスメイトの男の子が目を釣り上げるようなジェスチャーがありますが、それはアジア人の目を真似した典型的なアジア人を差別する動作です。

お弁当のシーンでは欧米スタイルのお弁当とは全く異なる見た目、匂いのお弁当を嫌がっているのか馬鹿にしている様子が見受けられます。

日本人のお弁当でもおにぎりの海苔が真っ黒で気持ち悪いとか言われたりと言われることがあるそうです。

逆に、彩りの良い日本のお弁当やキャラ弁を見てすごい!と言われる場合のあるそうなのでもちろん周りの環境によります。

 

両親のお店の手伝いをしたりお勉強をする真面目で良い子な男の子。

そんな男の子が目の当たりにするのは、頑張る両親のお店で飲んではいけないお酒を飲み、食い逃げする若者達。この経験から、真面目に頑張っているのにこれは正解ではないのか?と言った気持ちが出てきたのではないかと推測します。

 

そして男の子は周りに馴染むため、皆と同じような洋風なお弁当(サンドイッチ)を食べるようになります。

以前自分がされていたように、真面目な子をおちょくる側にまわり、真面目だった男の子は夜遊びし、お酒を飲むように。

そして事故後に出てくる変面は、周りに馴染むために、違う文化を身につけ仮面を変えていくように自分を変えていった男の子を表しているように見えました。

 

アメリカには「Banana(バナナ)」という言葉があります。

外見はバナナの皮のように黄色(黄色人種のアジア人)だけれど中身(文化)は白人(バナナの中身のように白い)という意味のスラングです。

この言葉が表すように、たくさんのアジア人が住んでいる土地に馴染むために新しい文化を吸収していったのでしょう。

 

そんな彼の白人化を表しているのか彼は金髪になり、目の色が青く変わります。

いつの間にか周りにダンサー達が現れて踊っています。

周りの振りを見て真似して踊る様子は、周りの仕草やする事を見て学習していき真似ていく男の子がアメリカ文化に馴染むためにした事を表現しているようでした。

最後お母さんを見て、子供の頃に戻る男の子。

アイデンティティはアジアだ。と気づいた瞬間のように見えます。

アメリカでアジア人のご両親の元に生まれ育ったアジア人2世や、アジアで育って途中でアメリカ(または欧米)に越してきたアジア人は似たような経験をした事があるのではないでしょうか?

皆さんの動画を観ての解釈はどうでしたでしょうか?

私の解釈とは全く違い、他の意味にも取れた方もいるかと思います。

外国人の反応

この曲についてどう思うか、Youtubeに寄せられている英語のコメントを日本語の意訳して紹介したいと思います。

「アメリカに13歳の時に引っ越したけど、この動画は学校の初日を思い出すよ。

同じように目を釣り上げたしぐさをされて、アジアアクセントのある英語を聞いて笑われた。奴らを殴ってやりたかったし泣きたかったけど、その怒りすら英語で言う事ができなかった。親には心配しないでって言ったけど、うん。馴染むためにいっぱい苦しんだよ。

今同じ経験をしてる人に伝えたい。自分を誇りに思って欲しい。他の文化を学んでる間も自分の文化も受け止めて欲しい。失礼で視野が狭くて寛容性がない人達のために自分を下に置くなんてノンセンスだよ。

そして新しく移民してきた人に会ったら、どうか優しく接してあげて欲しい。ハローって言ってもらうだけで彼らにとって、大きな意味があるんだ。」

「アメリカに移り住んだ日本人高校生男子として、この動画の多くの事がよくわかる。

英語が全然話せなくて苦しんだのもあるし、動画みたいに目を釣り上げる仕草をして「チンチョンチャイニーズ」って言われたこともある。僕がお米やシーフードを食べてるのもバカにされた。いつも馴染みたいと思ってたし、自分が嫌いだったし、皆みたいになりたかった。自分がなくなって、演じてるように思うこともある。

もしあなたがアジア人や、他のなんの人種の人と出会ったら、どうかその人達の文化を受け入れてあげて欲しいし、皆と同じように接して欲しい。」

「私は台湾人です。私の学校には外国人がいますが、どの国だろうと歓迎してます。私達もその人の言語や文化を学べてとっても良い経験になっています。」

「このビデオを見て泣いたよ。家族とイギリスに引っ越したことを思い出した。タイ料理のレストランを開いたんだけど、窓に石を投げられたりされた。学校の人も差別的だったし、いじめられた。8年経って、小さい古い町に引っ越して良い友達ができて良かった。」

「ドイツでハーフのアジア人として育った身としてはこの動画を観るのはとても心が痛かった。馴染むためにした、たくさんの事を後悔してる。今は日本人である事は恥ていない。

“Fit in”する事はないし、そうなりたくもない。自分じゃない自分にはなれない。と言うこの曲のメッセージは素晴らしい。”私は私だ。”」

辛い経験を乗り越えた人達のコメントに対し、たくさんの人が応援や励ますコメントを書いていて暖かい人がいっぱいいるんだな。と思えるコメント欄になっていました。

自分達ができる事はコメントにあるように、外国から引っ越して来た人がいたら挨拶をする。声をかける。そういう事なんだろうな。


 LIVE DVD「ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR」

Takaさんが語るこの曲の製作の裏側

TakaさんがYoutube動画やラジオでStand out fit inの製作の様子について語っています。

ボーカルのTakaさんはYouTube動画で、この曲の歌詞について話しています。

現在ロサンジェルスに住んでいるTakaさん。アメリカで生活をするに当たってアメリカ文化から違った雰囲気を感じているそうです。

動画のプロデューサーは中国系アメリカ人で、初めて会ったにも関わらず、同じアジア人として同じような気持ちを持っていたし、歌詞にあるような事をわかり合えたと語っています。

そのYoutube動画は→こちら(英語になります)

世界でライブをされてるそうで、ハワイでのライブもあるとか。

これからの世界中での活躍が益々楽しみです!

Stand Out Fit Inやキングダム実写版映画のテーマ曲Wasted Nightsが収録されているアルバム「Eye of the Storm」はこちら↓


Eye of the Storm (初回限定盤)

ABOUT ME
Megumi
アメリカ人夫と、2000年生まれの息子とハワイに住んでいます。カレッジ行ったりコワーキングスペースで作業したり、ビーチでダラダラする毎日。ジムで筋トレするのも好きです。 2019年から気分で世界の色んな国を移動しながら住むデジタルノマドや、車で移動しながら生活するバンライフ生活をしていきたいと思います。